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ツェツィーリアが、密かに裏テニスの大会に出発した、そのすぐ後。ロートリンゲン家でメイドをしているベッキーは、その主人(旦那様・ツェツィーの父)に呼ばれた。
主人の手には、一通の招待状。
何故か思い詰めたような表情の主人は、テニスの大会に出場してくれと言う。そして、同じくツェツィーリアも同大会に出場しているだろうと伝えると、連れ戻してくれと頭を下げた。
ツェツィーの父は、自らに警察の捜査の手が伸びていることを知っていた。そのために、ツェツィーリアが危険な潜入捜査を引き受けたことも。更に組織は、ツェツィーリアの行動に気付き、彼女を消してしまうかもしれない。だが、警察の監視下にある自分が動くこともできず、仕方なくメイドであるベッキーにツェツィーリアを連れ戻すように命じたのだ。幸い、ベッキーは主人である自分には忠実に働いてくれることを、この5年ほどの付き合いでわかっていた。
そんな(危険な)こととは思いもしないベッキーは、何も考えずに「わかりました〜」と、軽い気持ちで支度を始めたのだった(…)。 |
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