世界は自分を中心に回っていると思っているワガママ少女、マリー。
その性格の半分は本当だったが、もう半分はワザと造ったもの。彼女には、裏の顔がある。
それは、とある裏組織に所属する、悲しい工作員の顔。
彼女の、まるで小さなだだっ子のような性格には訳があった。
10年前。両親と姉と四人を乗せた車は猛スピードで迫る対向車と接触。両親は死亡したが、姉とマリーは一命を取り留める。その事故は、逃走中の裏組織の車とのものであった。
証拠隠滅を図る組織だったが、生き残った姉妹は連れ去り、洗脳して組織に配属することとなった。そしてこの時から、彼女の心の成長は止まってしまったのだ。
その後何年かが過ぎ、運動神経の良かったマリーは裏組織の工作員として、あまり運動能力の高くなかったその姉はどこか組織と関わりのある名家のメイドとして配属された。
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