あれから月日が流れ、今日は卒業式。

学校の近所にある民家の軒下。
通称、伝説の軒下に俺はいた。
この軒下でオークから告白されて結ばれた2人は、
永遠に幸せになると噂されている。

手紙で俺をここに呼び出したオークは
いったい誰なんだろう…?

俺の前に姿を現したのは、
数えきれないほどのオークたちだった。

…多い。めっちゃオーク多い。
なぜかこんなことになる予感はしていた。
カワイイ子に告白されて
バラ色の人生をおくるはずが、
これじゃオーク色だよ、ただの緑色だよ…。
ちくしょう。

少しずつオークが増えている気もするが、
悲観してばかりもいられない。

俺のことを好きだと言ってくれる
自称幼馴染のオークが、
1、2、3…とにかくたくさんいる。
まだ俺には帰れる所があるんだ。
こんなに嬉しいことはない。

こうして俺の学園生活は幕を閉じた。
まるで無数のオークを祝福するかのように、
軒下に柔らかな風が通りぬけていった。

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