あれから月日が流れ、今日は卒業式。
学校の近所にある民家の軒下。
通称、伝説の軒下に俺はいた。
この軒下でオークから告白されて結ばれた2人は、
永遠に幸せになると噂されている。
手紙で俺をここに呼び出したオークは
いったい誰なんだろう…?
俺の前に姿を現したのは、
幼馴染のオク子だった。
恥ずかしそうにうつむく彼女。
心なしか、豚鼻がひくひく震えている。
こんなにも緊張している彼女を
見たのは初めてかもしれない。
『実を言うと、俺もオク子のことが好きだ』
見つめ合うオク子と俺。
安心したのか、涙を浮かべる彼女。
流れ落ちた一滴が豚鼻に吸いこまれた。
こうして俺の学園生活は幕を閉じた。
まるで2人を祝福するかのように、
軒下に柔らかな風が通りぬけていった。