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あれから月日が流れ、今日は卒業式。
学校の近所にある民家の軒下。
通称、伝説の軒下に俺はいた。
この軒下でオークから告白されて結ばれた2人は、
永遠に幸せになると噂されている。
手紙で俺をここに呼び出したオークは
いったい誰なんだろう…?
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俺の前に姿を現したのは、
2人のオークだった。
…2人?なんで?
というか、誰と誰だっけ。
豚鼻が少し引きしまっている右の子は
オク香のような気もするが…。
いや、オク子だったかな…。
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目の前のオークたちが誰なのかという、
そんな細かいことは今さらどうでもよいだろう。
事実として、幼馴染と名乗る2人のオークに
同時に告白されたのだ。
オーク1人とつきあうのも2人とつきあうのも、
それが誰であれたいした違いはない。
考えるより行動だ。
まずは一夫多オーク制を実現するために、
法律の勉強を始めてみようかな…。
こうして俺の学園生活は幕を閉じた。
まるで3人を祝福するかのように、
軒下に柔らかな風が通りぬけていった。
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