第五回のゲストはStoryWorksのお三方です!! 三人すごく仲がよくて、姉妹みたいで楽しかった~。ちなみに、リーダーは大坂さん。暴走しがちな妹二人を止めるのが大変だそうです(笑)。
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~VitaminXについて~
【菱山】
『VitaminX』の依頼を受けた経緯はなんだったんですか? もともと、ヒューネックスさんとのお付き合いも長かったのでしょうか?
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【大坂】
いや、いきなりだったんですよね。以前取引していた方がヒューネックスに移られて。その紹介で突然岩崎さんがやってきたんです。変わったことがやりたいので協力して欲しい! って、仰ってました。
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【大坂】
でも、当時弊社は女性向けのタイトルを手がけていなかったので、「えー……?」という反応だったのですが、「だからいいんです!」という強い説得を受けまして、お仕事させていただくことになったんですよ。
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【菱山】
それはキャラメイキングから一緒にスタートされたんですか?
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【大坂】
岩崎さんとやるときはいつもそうなんだけど、「こんな感じです!」とキャラ設定の大枠や希望をいただくんです。それを見て、「こんな感じなのね」と、肉付けして提案させていただくという。あ、あと、たいてい「なんとかしてください」という枕詞も(笑)。
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【菱山】
外枠は固まっていて、中の詳細を詰める……みたいな感じでしょうか。
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【大坂】
そうですね。D3Pさん、開発スタッフさん全ての希望がリストにされているんでしょうね。あまりにも矛盾が多くて、毎回、「ふぅ~……どう統合しようか」と悩むところから始まるんです。
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【小松】
一番悩んだのはあれですよね。字原さんからきた、「脇に制汗剤をスプレーするシーンを入れてください」ってやつ。なんとか入れてほしいと言われましたけど(笑)。
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【大坂】
字原さんは面白いです、本当に! どこからそんな発想来るの!? というリクエストが多くて。他の女性とは違う視点なので新鮮で。ああ、またどっかの俳優にはまったのかな~と。
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【菱山】
おお、ズバリですね(笑)。
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【大坂】
でも、瑞希の爬虫類好きとかもそんな字原さんの希望リストから出てきたんだよね。
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【じんこ】
そう。あのとき確か、「猫好きか爬虫類好きのどっちかで」という希望が来てたんですよね。それでやるなら「爬虫類好き」のが絶対面白いよねって、決めたんです。
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【大坂】
そして、その一行から暴走して「トゲー」が生まれたのは弊社ならではかもしれません。相変わらず、StoryWorksさんだよね、と言われます。自由に書き過ぎてしまったかな? くらいがうちなんです、きっと(笑)。
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【菱山】
おお、トゲー誕生秘話ですね!! メインのB6の中でシナリオ執筆が一番大変だったのは?
(みなさん、考え込む……) -
【小松】
……私は清春に苦労した覚えがあります。当時はツッコミスルー担当だったんですが、これ、大丈夫なのかな? と悩み始めたら筆が進まなくなってしまって。
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【大坂】
もともと清春本編を担当したのはじんこなんですけど、初稿を見た小松がものすごい心配したんですよ。こんなに意地悪で女の子に乱暴で本当にいいんですか? ひどすぎませんか? 女の子に人気出ないですよ! って。まぁ、「大丈夫だよ」と一蹴しておきましたけどね(笑)。
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【大坂】
でも、小松が言うのも分かるんです、仕方ないことなんですよ。これまで男性向けの作品を作ってきていたので、女性(キャラクター)をいかに大事にするか……という視点で作ってきていたので、清春の行動はあまりにもギャップがありすぎてしまったんでしょうね。
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【じんこ】
私が容赦なく書いてしまったので(笑)。かなり尖らせちゃいましたからね。
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【大坂】
私も最初はびくびくしてましたけどね。本当に大丈夫かなって。でも、結構気に入ってたし、六人いる中の一人なんだからこのくらい突き抜けておかないと。って自分にも言い聞かせて後半は動かしていましたね。
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【じんこ】
すみません~。容赦がなくて。
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【大坂】
そこがいいんですよ。実はじんこは『VitaminX』からの参加で、男性向けの作品には関わってなかったので容赦なくズバッといったんでしょうね。
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【菱山】
他のキャラクターはどうでしたか?
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【じんこ】
清春は結構ノリノリで突っ走れたんですけど、悟郎は難しかったですね。どうしよう~ってしばらく固まってました。あと瑞希も喋らせるのが大変で「・・・・・・。」ばかりになっちゃうんですけど! って、相談したこともあったような(笑)。結果、あまりにも喋らないんでトゲーに喋らせちゃえ! と、今に至ります。
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トゲーと斑目瑞希(VitaminX)
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【菱山】
トゲー、いてくれてよかったです、本当! 確かに、トゲーの言葉を訳したりすることで瑞希もまた動き出しますからね。
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【大坂】
この突拍子もないアイデアがじんこのすごいところなんですよ。確か、バカサイユ作り出したのもじんこだったよね。
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【じんこ】
……そうでしたっけ?(あまり覚えていないご様子でした。)
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【大坂】
他にも『VitaminZ』の那智文庫を作り出したのもじんこ。思いつかないような馬鹿なことをスパーンとスマッシュヒットを打ってくるのにはちょっと感激します。
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【じんこ】
ありがとうございます。
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【小松】
じんこさんあってのVitaminですね!
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【大坂】
まぁ、じんこがベースを作って、さらにテンション高くバージョンアップさせてる犯人は小松だけどね(笑)。
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【菱山】
大坂さんのほうはどうでしたか?
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【大坂】
私は意外と瞬が難しかったです。発売後、ユーザー様からもご指摘いただきましたが、ちょっときつめに主人公を攻撃させちゃったんですよね。お話が盛り上がるのを狙ってはいたんですけど、やりすぎちゃったかな……と。
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【菱山】
そのさじ加減て難しいですからね。思い切った結果が功を奏するときも多いですから。瞬はある意味その反動もあって人気が出たのだと思っています。
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【大坂】
そうですね、あのときはブラックにいかないと、って思って。普通に書くと馬鹿な話にしかならないから。本当はシリアスな暗い過去がある! くらいの演出をしないとカッコつかないんじゃないかって思ったんです。キャラクターにはちゃんとしたストーリーを持たせたかったんですよね。そのための個性だと思いますし。
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【菱山】
確かに。『VitaminX』はどのキャラも結構深いテーマというかシナリオを持ってますよね。意外でしたもん。
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【大坂】
一もそうでしたね。ああ、でも一はもっと混乱してたかも。暗い過去があって割りと陰鬱な性格なんだけど、アニキ肌のところもあって、動物好きな面もあって……とプラスとマイナスがごちゃごちゃになってしまって。6人でいるときや番外編では問題ないんですけど、本編ではその両極端をどう出すかに悩んでしまって。
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【じんこ】
そうでしたね、本編書きづらかったです。クールでワイルドなイメージを出さなきゃ! って思いつつ、どうしてもアニマルマスター寄りになってしまって(笑)。
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【小松】
でもそうやってメインをしっかり書いたから、結果遊びの部分の幅が広がったんじゃないかなって思いました。
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【じんこ】
ボーナスシナリオなんてなんでもありだったもんね。
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【大坂】
そう、今読み返しても爆笑しちゃうんだよね。
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【菱山】
翼はどうでしたか?
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【大坂】
意外に企画当初からぶれずに進められたキャラでしたね。ゲームって発注を受けてから書いていくのと平行で進んでいくので、途中で仕様や設定が変わることも多いんですよ。でも、翼はその影響を受けず、まっすぐに育ちましたね。
~VitaminZについて~
【菱山】
では、次は『VitaminZ』についてお伺いします。最初どんな風にお話が来たんですか?
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【大坂】
『VitaminZ』は最初の企画書見てたまげましたね。「乙女ゲーム初のクマ攻略!!」って、リアルなクマの絵が入った企画書だったんですよ。もうそれを見てため息しかでなくて(笑)。とにかく、岩崎さんが何を考えてるのかはともかくとして、クマを出しつつもなんとか恋愛ADVとして成立するように……ってできたのがベアロクだったんですよ。
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【小松】
理事長と上條の間にちょうどリアルなクマがいましたね。
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【大坂】
たしかにね、企画書ってインパクトが大事ですけどね。どう処理していこうか悩んだ結果、ベアロクについては小松に預けちゃったけどね。
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【小松】
最初はみんなスカーフ巻いたクマだったんですけど、六体いるなら……ってことで、それぞれ作った設定にあわせて小物を用意してもらったりして。なんだかんだクマの存在感が大きくなった結果、キャストさんもクマを演じるはめになったという。
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ベアロク(VitaminZ公式サイトより)
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【大坂】
おかげでドラマCDにベアロクを出せなくなったけどね(笑)。自分達の首を絞めましたよ。
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【菱山】
たしかに。あの六人を起用するとは思いませんでした。他のキャラクターはどうでしたか?
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【大坂】
最初に話を聞いたときにはキャラデザもあまり固まってなかったでしたね。平行して進めていくような感じで。ボリュームも大きいし、大変だな~Vitamin……と、ちょっとテンション下降気味だったんですが、ある日、打ち合わせで慧と那智のキャラクターデザインを見せられて。「大坂、まじめにやります!!」 って一転しました(笑)。
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【じんこ】
そのとき、すぐに大坂さんから電話が来て、第一声が「じんこ、いい双子きた!」でした(笑)。それ以来、慧だけは「慧様」呼びですもんね。
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【大坂】
それだけ良かったんだよね、あのデザインが。この絵が来るんだったらやるしかない!! って燃えたのです。
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左から方丈慧、方丈那智(VitaminZ)
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【菱山】
完全に恋する乙女じゃないですか(笑)。慧がいなかったらどうなっていたことやら……ですね。慧様ありがとう…!! てことは、それ以降はサクサク進んだんでしょうか?
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【小松】
それが、教師チームのほうはちょっと時間がかかってしまって。
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【菱山】
GTRとR+ですか?
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【小松】
B6は当初、いなかったんです。逆にT6の中の三人とGTRで六人構成にするって言われて、えっ? ってなって……。聖帝に残らなかったT6の三人も気になっちゃうしすごくもやもやしてたんです。何度か協議した結果、B6にしようって決まって。
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【菱山】
知りませんでした……! たしかに三人だけっていうのは気まずいですね。
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【大坂】
そして、とにかく登場人物が多すぎる……! B6教師を立たせると今度はGTRの出番が少ない、とか追加追加になってしまい、あっという間にボリュームが膨れていきましたね。
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【じんこ】
それもあってGTRの登場シーンなどの爆発やフラッシュなんかは目立ちやすいアイキャッチの意味も込めて入れたんですよね。三人セットでの登場やキメ台詞も定番化させることで存在感をあげていきました。まぁ、結局は楽しんで書いちゃいましたけど(笑)。
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GTR登場シーン(VitaminZ Graduation)
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【大坂】
なんか、面白い方向にしか行かないんだよね。この三人が揃うと。成宮のひらがな組なんかも作ってきたのはじんこなんですよ。何が何組っていう一覧表も作ってて、本当よくやるわと(笑)。
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【じんこ】
ああ、結構ノリで作ってしまったんですが、実は細かい設定があるんですよ。何行が移動系、とか何行が土木系とか。もう今はリスト見ないと思い出せないくらいに増えちゃって(笑)。
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【菱山】
私も全シナリオをチェックして一覧表を作ったことがありますが、すごい細かく法則が決まってるんですよね。だからうかつにひらがな組を出すとケガしてしまいそうで(笑)。
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【小松】
そして、さらに私がドラマCDとかで増やしてしまった気がします(苦笑)。
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【大坂】
と、よくもまぁ、こんなに馬鹿なことを繰り広げられるなって(笑)。
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【小松】
でも、大事なポイントだと思うんです。重い話ばかりだと沈んじゃうし、いっそ爆発させてポーンとはじけちゃったほうがみんな楽しんでくれるはずですし!
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【大坂】
それはそうだけどね。みんな思い思い勝手に設定増やしていくから、報告受けるたびに「おーい!」と心の中でツッコミが(笑)。
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【菱山】
ちなみに、キャラクターのシナリオで苦労した点などはありましたか?
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【小松】
アラタは大変でしたね。設定も結構変わりましたし。それに伴って外見もかなり変わりましたよ。最初は医者じゃなくて華道の家元でしたし、髪の毛もワンレンでメガネもなくて。逆に千聖がメガネで七三分けの髪型でしたね。アラタは女の子にもてるけど、オンナったらしにはしないでください。っていう注文が難しかったですね。
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【菱山】
でも、うまく表現されているのではないかと思います。世の女性はみんなかわいいお花ちゃん、と言いつつも一番大事にしてるのは主人公で、明らかにそこには差が見て取れますからね。紳士的というんですかね。
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【小松】
あと、『VitaminZ』はサブキャラは岩崎さんのほうでもう決められていて、それに沿ってシナリオを作っていくのが結構大変でしたね。
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【大坂】
実はあのとき、うちのラインがちょうど立て込んでいて、細かいコンセプトは岩崎さんのところで作っていただいたんですよ。だから、サブキャラもそこで決まってたんですよね。
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【じんこ】
私は逆にサブキャラの絵を見て、生徒会の吾妻君が気に入ってしまったので、よーし、どう登場させようかな。とワクワクしましたね。
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【菱山】
教師陣はどうでしたか?
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【小松】
シナリオとは直接関係ないかもですが、ある日突然岩崎さんから連絡が来て、坊主にするなら誰がいいですか? って聞かれて。
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【じんこ】
ああー……清春がーー!
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仙道清春(VitaminZ)
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【大坂】
そりゃもう、じんこが大騒ぎで……うるさかったです。
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【小松】
なぜ、清春が坊主になったのか、設定を考えてくださいってお願いしましたよね。最終的に一と清春のどちらかを坊主にするってなって、結果、一は短髪になったんですよね。ヒゲは増えましたけど。
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【じんこ】
あと、最初、理事長も絵が上がっていなくて、テキストのみの設定からスーツのイメージだったんです。そしたらある日、マント着たすごいキャラ絵を渡されて(笑)。わわわ、どうしようー!! ってなりましたね。
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佐伯影虎.(VitaminZ)
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【小松】
社内ではあのマントは空を飛ぶのか、という真面目な会議をしたり(笑)。それで設定もどんどん増えていって。
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【菱山】
『VitaminZ』は三作の中で一番シナリオボリュームがあったと聞きました。
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【大坂】
そうなんです。書いても書いても終わらない、恐ろしい分量になりました。追加や没になった分もあって、差し替えもたくさんしましたし、書いた総シナリオ量どれくらいなのかは考えないことに(笑)。収録も大変だったと思います。すみません。
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【小松】
私はどうしても入れたかったシナリオ案があったんです。その名も「上條バッドエンド」。理事長戦に敗れた後、上條と南の島の孤島に行って、記憶を失って暮らすっていう。
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【菱山】
なにそれ!
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【大坂】
ああ~……、ボツにしたね。ちょっと暗すぎたと言うか、方向間違ってるって言うか(笑)。
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【小松】
あと、『VitaminX』からの流れ(なぜT6がいないのか)などを本編中で回収しよう、という予定だったんですが、途中からストップが入ってしまいなくなってしまったんですよね。D3さん的にはまだ早い、という意向があったみたいで。
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【菱山】
確かにXとZって話がつながってるぶん、T6や南先生はどうなっちゃったんだろう、というのは気になります。
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【小松】
いつか、どこかで書きたいですよね。
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【菱山】
そうですね……! 私も読みたいです!!
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【小松】
他にも沢山Vitaminのネタや設定を書き溜めてるのでお披露目したいです。「Vitaminカルタ」とかも(笑)。XとZまでしかできてませんけど。
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【菱山】
「Vitaminカルタ」!! 商品化の際はぜひ相談させてください(笑)!
~アニメ『VitaminX Addiction』について~
【菱山】
では次は、『VitaminX』のアニメ『VitaminX Addiction』についてお伺いします。
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【大坂】
大変でした。と言うのもゲームシナリオとアニメシナリオって真逆なんですよ。映像があって動くことで表現していくのがアニメ、動かせないから会話で表現させていくのがゲームなんです。
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【菱山】
そうか……当然のことかもしれませんが、改めて言われるとなるほど、という感じです。
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【大坂】
だから私たちはその逆転をさせないといけない、という壁にぶつかって、ものすごく苦労をしましたけど、でもその分いい経験もさせていただきました。監督さんやアニメスタッフさんもすごく苦労されたことと思います。その節はすみませんでした。
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【菱山】
毎週のように集まって打ち合わせをしていましたもんね。私はシナリオ会議まで入らせてもらってましたが、D3Pやシナリオチームのイメージがなかなかアニメ制作チームに伝わらなくて、毎回、進んでは振り出し、だったように記憶しています。
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【大坂】
アニメシナリオに不慣れでも、それでもVitaminのVitaminらしいところを作れるのはうちの強みだと思ってるので、なんとか監督さんにも分かってもらえるよう頑張りましたね。
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【菱山】
あのときは全三話でしたが、もっとやりたかったですね。
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【大坂】
私は『VitaminZ』もやりたいです。
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【菱山】
そうですね、やりたいんですよー!!! うちはいつでも準備万端なんですけど、パートナーさんさえいてくれれば!! 両手広げて待ってます(笑)。
~VitaminRについて~
【菱山】
では、次は『VitaminR』についてのお話をお伺いします。実は当初、作品への参加が難しかったと聞きました。
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【大坂】
そうなんです、タイミングがあわなくて。ちょうどうちのスタッフも足りてない時期だったんですよ。ですが、少し調整して、何とか……という感じでスタートしましたね。
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【菱山】
……ありがとうございます、良かったです!! ちなみに、最初はどんな感じで中身のお話をされてたんですか?
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【大坂】
最初に打ち合わせした段階で確か一真と玲央は決まっていたような?
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【小松】
そうでしたね。あとインパクトが欲しいということもあって、忍者を入れたりしました。
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【大坂】
あと、最初舞台はパリだったんだよね。でも、それはどうかと思うな~って調整していたら日本の学校になりましたけど。
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【小松】
だから、章タイトルがフランス語なのはそのときの名残ですよね。
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【菱山】
キャラクターの中で一番難産だったシナリオは?
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【大坂・じんこ】
うーん、ジャン……かな。
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ジャン・フェリックス・ヴァロー(VitaminR)
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【菱山】
揃いましたね!
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【小松】
外国人っていうのもありますし、雰囲気が独特なので中々スタッフ間でのキャラ統一が難しくて……。
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【大坂】
小松のイメージが強すぎたんですよ。
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【小松】
……スミマセン(一同笑)。えーと、でも一応、今回のメンバーは自分の中でモデルにしてるアーティストさんとかもいたりするんですよ。そういうのもユーザーさんに伝わったらうれしいな、と。
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【じんこ】
音楽系のネタを仕込むのも大変でしたよね。そもそも自分が楽器を扱ったことないですし(笑)。本をいっぱい買って、あと、NHKの音楽番組とかもひたすら観てましたね。
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【大坂】
音楽用語辞典は一人一冊買ったよね(笑)。
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【じんこ】
あと、偶然にも私の友人が音楽一家だったんですよ。その友人の弟がプロのチェロ奏者で、話を聞きに行きましたよね。
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【大坂】
学校自体も特殊だったから悩みましたね。夏寮とか、どこにあるの!? みたいな(笑)。
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【じんこ】
空想のアヴニール音楽院MAPを作りましたよね。こことここはきっと繋がってる!! とう前提でシナリオも作っていました。
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【菱山】
確かに、夏寮ってビックリしました。え、どこにあるの? こっちも実質ワルサイユなんだよね? って確認したような気がします。
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【大坂】
そうなんですよね、結果分かりにくくなってしまったかも知れません。夏は引っ越すとか、ヨーロッパだとすごくありがちな設定なんでしょうけど。反対したんですけど、岩崎さんと小松が盛り上がってしまって……ふう。
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【じんこ】
私は事後報告で知ったので、んん? と二度見しちゃいましたよね(笑)。
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【大坂】
あの二人の暴走を止められなかったんだよね。ジャンの別荘でいいと思うのに。だったら背景素材をもう一枚違うものを作れたのに。とまだまだ文句は言いたりないけどね(笑)。
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【菱山】
大坂さん……お察ししますが、もうちょっと頑張って止めて欲しかったです(笑)。でもまぁ、音楽院自体がフランスからの学校なので、そういった文化があるというのも自然に描かれていたのでよし、ということで!
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【菱山】
動物キャラはどんな風にして決まったんですか?
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動物たち(VitaminR公式サイトより) -
【大坂】
ムササビ考えたのは……小松で、コアラを出してきたのも……小松でしたね。
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【じんこ】
やっぱ小松さんじゃん(笑)。
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【小松】
えへへへ……。動物シリーズは岩崎さんから写真がいっぱい送られてきて。多分、動物担当だと思われてたんですよね。もっとかわいくしてください! ってお願いしました。
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【小松】
あ、でもペンギンは岩崎さんから出てきてたんですよ。打ち合わせ中に玲央のギャグにブリザード吹かせたい! って急に仰って。
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【大坂】
岩崎さんを止めるのはなかなか難しいからね。
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【小松】
そうですね。一真についても黒魔術? を使う、という部分をすごく悩んでしまって。最初魔法を使わせたいって言われたんだけど、ピンとこなくて。よくよく聞いていくと魔法っていうよりも日本的な魔術っぽくて。
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【大坂】
ジャンが完全に外国人だから、一真は神道的な方のファンタジーにしてはどうかと提案したんですが、岩崎さんは譲らなかったですよね。どうしても黒魔術でNを召還したいって。
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【菱山】
他に大変だった点はありましたか? 今回の先生方、L6はいかがでしたでしょう?
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【じんこ】
双子はすごく書きやすかったです、二人とも分かりやすいキャラですし。あと、ブルーノと新城先生がちょっとごっちゃになるときが多くて。
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【大坂】
それは、じんこのメモが逆になってただけでしょ(笑)。
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【じんこ】
そうなんです、いただいたキャラ絵が並んでるのにメモを書き足してたんですよ。それをPCのデスクトップにしてて。たまたまその画像を大坂さんに送ったらまさかの逆だったという(笑)。
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【菱山】
今となってはブルーノと新城もだいぶ差がありますし、キャラ個性もちゃんと出てますからね!
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【大坂】
新城先生とクリスの関係性も最後まで書ききれなかったのはちょっと残念でしたね。いつかまた続きを書ければいいんですけど。
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【菱山】
そうですね……そこは私も気になってるところなので、ぜひ!
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【菱山】
それでは、最後に読んでくださっている皆様にメッセージをお願いします。
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【大坂】
本日やっと発売になります! 毎度ですけど今回も大変でした……でもいっぱい頑張りました!!どうか、お楽しみいただけますと幸いです、よろしくお願いいたします。
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【小松】
皆様、帰ってまいりました、Vitamin新シリーズです。発売日の8月8日になぞらえて、『VitaminR』をプレイして「ハハッ」と笑ってもらえたら嬉しいです。どうか、くじけることなく最後までプレイしていただけますと嬉しいです。感想など、お待ちしてます、よろしくお願いいたします。
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【じんこ】
いよいよ発売日です、ありがとうございます! みんなの血と汗と涙と笑いが入ってますので、皆様も同じように楽しんでいただけますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。
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【菱山】
大坂さん、小松さん、じんこさん、貴重なお話をありがとうございました!